糖尿病はどんな病気と言うのは皆さんもすでにご存知だと思いますが、糖尿病には、若い人の発症が多い1型(インスリン依存型と、中年期以降の発症が多い2型(インスリン非依存型)の2つのタイプがあります。
一般的に『糖尿病』と言われているのは後者が多いですね。
後者は、日常的な食べ過ぎ、運動不足などに起因する肥満とのかかわりが深く、生活習慣や運動不足の改善により、発病を予防できる疾患だとも言われています。
私たちは、摂取した食物を体内でぶどう糖のかたちに変え、それをインスリンというホルモンの力を借りてエネルギー源に利用して生命を維持し、活動しています。
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島にある細胞から分泌されています。このインスリンというホルモンが、必要なだけ分泌されなかったり、なんらかの理由でインスリンが十分に作用できなかったときに、血液中のぶどう糖が漏れて、血液中や尿に排出されるようになります。
そうなると、なぜ血糖値が高くなるのでしょうか?
それは、腎臓で尿がつくられるとき、血中ぶどう糖は、糸球体というところを通過して、いったん尿細管中にもれて出てきますが、そこでほとんど全部が再吸収されてしまいます。しかし、この量が多すぎると、再吸収力がおよばず、尿中にぶどう糖がおりてくることになります。
尿糖のおり始める時点の血糖値のことを、尿糖排泄閾値と呼び、ふつうでは1dlあたり160mg前後で、高齢になるほど、この値は高くなる傾向にあります。
と言うのは、、血糖値がより高くならないと、なかなか尿に糖がおりてこないからです。もう説明しなくても分かると想いますが、血糖値が持続的に高くなっている状態のことを糖尿病というのです。
恐ろしいことに糖尿病は、軽いうちはほとんど自覚症状がないことです。
痛くもかゆくもないですから「血糖値が少し高い」といわれても、まあまあと思ってしまい対策を取らない人も多い病気でもありますね。
血糖値が高い状態がある程度続いた場合でも、症状はさまざまですが、尿�糖排泄閾値を超える高血糖が持続すると、尿が多く出たり、喉の乾き、水やお茶、ジュースなどの水分を多く飲みたくなります。その後、じわじわとだるい感じがあったり、やせてくるなどの症状が出てきます。
さらに進行すると、糖質代謝だけでなく、たんぱく質や脂肪、水やミネラルの代謝にも異常をきたしてきます。
インスリン不足で糖質の利用ができなくなると、エネルギー源として蓄えられている脂肪が使われるようになります。脂肪が代謝されると、副産物として血中にケトン体というものがたまってきます。これが血液を酸性に傾けてしまい、この状態を、ケトアシドーシスと言い、強い全身のだるさや脱力感、吐き気などの症状が出てきます。病気がさらに進むと、意識がなくなる糖尿病性昏睡におちいり、死亡する場合もあります。
血糖のコントロールが悪いまま10年以上たつと、たいていの場合、毛細血管や細小血管という細かい血管に糖尿病特有の変化が現われてきます。よく耳にするのが、目に来る糖尿病性網膜症ですよね。
次に、腎臓にくるのが糖尿病性腎症、そして神経栄養血管がおかされると、糖尿病性神経障害がおこってきます。
中年になって失明する原因の第一位が、糖尿病からくる網膜症だと言われるようになりました。私の知り合いも60歳前に糖尿病から失明しました。病院に行った時にはかなり進んでいて治療のかいもなく失明し、今はヘルパーさんに来てもらって何とか一人暮らしをしていますが、喉が異常に乾いたり、やせてきたときに診察をするように言いましたが、安易に考えていました。今となっては後の祭です。
糖尿病は本当に体全体を蝕んでいく恐ろしい病気で、失明したり、透析治療になったり、主に足の末端が壊死したり、脳梗塞や心筋梗塞肥満からくる生活習慣病、エトセトラ。初期には自覚症状がないだけに恐ろしい病気です。
会社勤めなどをしていない方は血液検査をする機会もなかなかないと思いますが、年に一度くらいは検査をすることをお薦めします。
糖尿病には二つのタイプがあると書きました。一つは罹患率がかなり少ないですが、「第二糖尿病」�と言われる膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが少なかったり、暴飲暴食、運動不足などから来る糖尿病は、ある程度防ぐことができますよね。
暴飲暴食などで気をつけたいことは、腹八分目にしたり、喉が乾いたからと言ってやたらとジュース類などを飲まないことでしょうか。スポーツドリンクなどには、案外糖分が含まれている物が多いですし、自販機などで売られている果物ジュースなども同様のことが多いです。一度ボトルや缶に書いている成分を確めてみると分かると想います。
糖尿病と判断される値は、ぞくに言われる血糖値が160以上、ヘモグロビンA1Cが6.2以上ということになっていることが多いですが、血糖値などは検査した時間、食後どのくらい経っているか、、、、、などでも大きく変わってきます。また、ヘモグロビンA1Cと言うのは、過去1.2ヶ月の間に摂取した糖質の量です。検査があるからと言って、その日に食事を抜いて検査したら、確かに血糖値は低くなっているかも知れませんが、ヘモグロビンA1Cも重要視されますから、ごまかしはきかないですね。まあ、実際に糖尿病だと診断がつくのは「ぶどう糖負荷試験」ではないかと思いますけどね。
しかし、血糖値やヘモグロビンA1Cなども医師によって考え方が違いますし、高齢になれば値も自然と上がってきますから、その点は医師と相談しながら決めていくのが一番です。
*昔は糖尿病になるということは今よりがぜん少なかったと思われます。
それはやはり食生活の変化だと想います。それと、昔はほとんどの家事が手作業でしたし、車も少なく、歩くか自転車で移動する事が多かったですから、運動不足になると言うことも少なかったと想います。それが今はどうでしょうか?
食べ物に関してもそうです。肉やバターなどを取ることは悪いことではありませんが、そのとり方が重要視されますし、間食なども考えて食べたいですね。
油はカロリーが高いと言って避ける人がいますが、身体にとって必要な油もあります。その中でよく耳にするのが「青魚の油(dha,epa)ですね。これは血液をさらさ�らにしてくれるといわれていますが、他にも必要な油はあります。
どうか皆さん、ご参考にしてください。