皆さん、こんにちは。
9月25日は魯迅の誕生日。今日は魯迅について印象的なエピソードをご紹介します。
魯迅(1881年9月25日生まれ)は、中国の小説家、翻訳家、思想家。
1904年、仙台医学専門学校に最初の中国人留学生として入学し、学校側も彼を無試験かつ学費免除と厚遇。
特に解剖学の藤野厳九郎教授は懇切丁寧に指導し、彼もその学恩を終生忘れなかったとのこと。
藤野教授との関係は、小説『藤野先生』に以下のように描かれている。
「私の講義、ノートが取れますか?」とかれは訊ねた。
「どうにか」「見せてごらん」私は筆記したノートをさし出した。
かれは受け取って、一両日して返してくれた。そして、今後は毎週持ってきて見せるようにと言った。
持ち帰って開いてみて、私はびっくりした。同時にある種の困惑と感激に襲われた。
私のノートは、はじめから終りまで、全部朱筆で添削してあり、たくさんの抜けたところを書き加えただけでなく、文法の誤りまでことごとく訂正してあった。
このことがかれの担任の骨学、血管学、神経学の授業全部にわたってつづけられた。-中略-
だが、なぜか私は、今でもよくかれのことを思い出す。
わが師と仰ぐ人のなかで、かれはもっとも私を感激させ、もっとも私を励ましてくれたひとりだ。
私はよく考える。かれが私に熱烈な期待をかけ、辛抱づよく教えてくれたこと、それは小さくいえば中国のためである。中国に新しい医学の生れることを期待したのだ。
大きくいえば学術のためである。新しい医学が中国に伝わることを期待したのだ。
私の眼から見て、また私の心において、かれは偉大な人格である。その姓名を知る人がよし少いにせよ。
参考:wiki「魯迅」より